マスク予防意味ない?ウィルスへのマスクの有効性をジョンズホプキンズ大学が解説

こんにちは、にぃもです。

コロナウィルスが猛威をふるう中、現在マスクが不足しています。政府が2月ごろに「3月には月6億枚確保できる!」と豪語していましたが、非常事態宣言が出され、ほぼ全員の人が外出する際にはマスクを着けているので、使い捨てマスクを使用していると、月6億枚では到底足りなくなっています。

そもそもマスクはコロナウィルスに対しての有効性があるのでしょうか、それに関してジョンズホプキンス大学の階層運用を解説しマスクだけではなく色々なウィルス予防方法を説明します。

マスクの有効性(ジョンズホプキンス大学のウィルスコントロール階層運用より)

 

 

図1:COVID-19のコントロールの階層の適用。CDCのウェブサイトから転載。

上の図はジョンズホプキンス労働安全衛生教育研究センターが示しているコロナウィルスに対する階層コントロールの体系図です。

ジョンズホプキンス労働安全衛生教育研究センターによると、ウィルスの予防には有効性順に5段階の予防方法があるとされています。その中でもマスク着用は有効性としては一番下の位置にはなっていますが、このピラミッドに入っている時点で個人レベルでの予防としては大きな位置を占めていると、私は考えます。階層ごとに簡単な例とともに説明します。

除去 Elimination

コロナ感染者の隔離

一番上の階層で最も効果的とされている方法です。

組織レベル=感染者の社会的な孤立を確保すること。個人レベル=ウィルス感染しないように隔離することで、日常生活者の感染リスクを除去します。

 

代替 Substitution

上から二番目の階層で非常に効果的とされている方法です。

危険な曝露を危険性の少ないものに変える。コロナウィルスには適用できません。

 

工学的管理 Engineering Controls

コロナ工学的管理

上から三番目の階層でとても効果的とされている方法です。

組織レベル=ウィルスがいる可能性のある空気を取り除く換気率の高い病院が当てはまります。個人レベル=フィルター処理された家庭用HVACシステムを使ったり、窓を開いて定期的に新鮮な空気を取り入れたり、除菌効果のある空気清浄機を使うなど感染の危険性のない空間を保持すること。除菌スプレーやアルコールジェルで身の回りのものを清掃する事も当てはまりそうです。

 

管理コントロール Administrative Controls

コロナ管理コントロール

上から四番目のかなり効果的とされている方法です。

組織レベル=職場の管理方法を変更することでの対応。例えば、すべての非必須要員に在宅勤務をしてもらい。必須要員は、シフトに従事する労働者の数を減らし、従業員同士をさらに距離的に離す。勤務スケジュールをずらすことで、シフト交替に連絡する必要がないようにするなどスタッフ同士が接触する機会を減らす施策のこと。また、手指衛生を管理コントロールすることも含まれます。

個人レベル=家や自宅での下記のような手洗いルールを決めるなど

  • 家の手洗いルールを適用して、外から入った後、すべての食事の前後に全員が手を洗うようにします。
  • 郵便物を取り扱う前に数日間放置し、郵便物に触れた直後に手を洗う。
  • 食料品の容器の外側を消毒し、再利用可能な食料品の袋を数日間他の人から遠ざけるか、すぐに洗い、次に食料品を片付けてから手を洗います。
  • みんなで遊んだ後の消毒。

感染リスクを抑えるために、このような対策を過小評価しないことが重要です。

 

個人用保護具 PPE(マスクの有効性)

コロナ PPE 個人保護具の運用

 

階層では一番下の方法になります。一番下だからと言って軽視してはいけない予防方法になります。

ジョンズホプキンズ大学の原文を直接読みたい方もいるかと思いますので、下記にジョンズホプキンズ大学のマスクに関する考察全文和訳を記載しておきます。長文なのでまとめると

・PPEと呼ばれるサージカルマスクやN95のようなマスク保護具で、しっかりとした運用方法で使ってないとコロナウィルスを完全に防いでくれない
・手作りマスクは着けたことで安心してしまうことが一番危険
・マスクではなくできる限り上の階層の方法でウィルスを予防して欲しい
という事が言いたいのだと思いますが、ジョンズホプキンス解説の内容としては地球全体の人類へのメッセージという感じになっています。
現状サージカルマスクのようなマスクは簡単に手に入らない状況ですし、上の階層の予防方法は設備や組織全体の予防方法なので、個人一人のレベルではなかなか難しい方法であったりします。また、個人のQ&Aの段落で手作りマスクの運用をジョンズホプキンスは勧めていますので、手作りマスクの運用は十分ウィルス対策の一環として効果的であると言えます。
また、日本人の特性として、手作りマスクを着けたことにより、過度に安心して人のたくさんいる所へわざわざ外出するとも思えません。手作りマスクは、0.3マイクロの粒子は20%防いでくれますし、10マイクロの粒子の50%~70%を防いでくれます。逆に言えば手作りマスクを着けなければそのような粒子から無防備になってしまうという事でもあります。
そのため、私は手作りマスクもコロナウィルスを予防する重要な方法だと思います。

マスクの有効性の詳細(ジョンズホプキンス大学の解説翻訳文)

PPEとはマスク、手袋、その他の機器などの医療従事者やスタッフを保護する道具のことを指します。PPEは本来、容易に入手できて安価であるため、防御の最前線としてPPEを使用するのは魅力的ですが、実際には、PPEは適切な供給と適切で継続的な運用方法に左右されるため、階層では最も低い位置となっています。医療スタッフが感染した患者と密接に接触する必要がある病院では、PPEの使用は重要で、そのため、医療スタッフが作業をできるだけ安全に行うために必要なPPEを常に保持していることが大切です。

マスクはそもそも触れてから顔や他の表面に触れると、ウイルスを拡散させる可能性があります。自家製のマスクを使用すると、人々に誤った安心感が与えられ、マスクがない場合よりも外出する可能性が高くなりますが、保護は限定されてしまいます。

マスクを使用する理由は2つあります。1)ウイルスを含む粒子の吸入から身を守るため。2)感染した潜在的な患者によって吐き出されるウイルス含有粒子の数を制限する。自家製のマスクは感染からあなたを守る可能性は低いですが、感染した人々が吐き出すウイルスを含む小滴の数を減らす可能性があります。

自家製のマスクが十分な予防と保護を保証できない理由を理解するためには、粒子またはエアロゾルと呼ばれる液滴がどのように動作するかを理解する必要があります。粒子は、そのサイズに応じて空気中での挙動が大きく異なります。ウィルスを含む粒子のサイズは0.01から100マイクロメートルのサイズで、非常に広範囲のサイズにわたり、粒子自体は非常に小さいです。最大の粒子のサイズは、人間の髪の毛の直径に似ています。しかし、大きな粒子と小さな粒子の動作の違いは劇的で、呼吸したり、話したり、咳をしたり、くしゃみをしたりするときに放出される粒子のほとんどは、0.3〜10マイクロメートルのサイズです。少数の粒子は最大100マイクロメートルになる可能性があります。非常に小さい(0.05マイクロメートル)粒子の数についてはあまり解明されていませんが、これらの粒子は小さすぎてウイルスを運ぶことができないため、COVID-19感染を理解するためは、無視してしまう事も可能です。

非常に大きな粒子(100マイクロメートル)は、重力により空気から数秒で急速に除去されます。咳やくしゃみをする人から2メートルの距離を保つことで、これらの粒子から身を守ることができます。通常、10マイクロメートルの粒子は、咳やくしゃみから短い距離しか移動できず、わずか10分で地面に落ちます。これらの粒子は気流によって部屋の中を移動する可能性があります。このサイズの粒子は、素材にもよりますが、自家製のマスクから約50〜70%の効率で取り除くことができます。ただし、0.3マイクロメートル程度の小さな粒子は、COVID-19を運ぶのに十分な大きさですが、非常に小さいため、重力によって空気から取り除かれることはありません。これらの粒子は、室内の換気に応じて、何時間も空気中にとどまることがあり、フィルターやマスクの除去が最も困難です。テスト施設では0.3マイクロメートルの粒子を使用してN95マスクの効果は確認できています。(N95は、マスクがこのサイズの粒子の少なくとも95%を除去することを意味します)。自家製の布製マスクの場合、これらの粒子の除去効率は約20%になります。

自家製マスクを作る人々はCOVID-19のパンデミックを減らすために最善の意思を持っていますが、手作りマスクの限界を理解することが重要です。ウイルスを含む粒子の数を50%減らすことは大きな改善のように聞こえますが、これは感染しないようにするのに十分ではない場合があります。あなたがマスクを着用したからと言って、あなたが病気にならないと思い込まないでください。可能な限り、社会的孤立(除去管理)と手指衛生(管理コントロール)を実践し続けましょう。

 

手作りマスクはどのように運用すべきか

よくある質問をいくつか紹介します

私はCOVID-19を患っているのですが、病気で入院することはできません。手作りのマスクを着用すべきですか?
できるだけ別の部屋に隔離するのが最も効果的です。また、窓を開けるか、フィルター処理されたHVACシステムを使用して新鮮な空気を取り入れることを検討してください。家族が近くにいるたびに手を洗うように家族にリマインドしてください。COVID-19を知っているか疑っている人は、サージカルマスクを購入できない場合、他の人の周りにいるときに自家製マスクを使用してウイルスの蔓延を制限することをお勧めします。これにより、家族や身近な人への感染のリスクを減らすことができます。
COVID-19に患っていないと思いますが、手作りのマスクを着用する必要がありますか?
COVID-19を持っている人の中には症状がなく、無意識のうちにウイルスを広める人もいます。感染を防ぐ最善の方法は、社会的/物理的な隔離を介して他の人々への暴露を制限し、手指衛生を実践することです。自家製のマスクを着用すると、大きな水滴を介して他の人にウイルスが広がるのを減らすことができます。ただし、自家製のマスクを着用することで感染を100%防ぐことはできません
有効性の高い自家製マスクテンプレートはありますか?
インターネットには多くのマスクパターンがあり、特定のタイプのパターンが他のタイプよりも除去に優れているかどうかについてはほとんどわかっていません。ただし、一部の材料は他よりも粒子の除去に優れています。マスクは、マスクの周りの空気の流れを制限するために、顔の周りにできる限りぴったりと収まる必要があります。
自家製マスクを着けることにしました、運用方法をいくつか教えて下さい?
  1. マスクをつける前に、石鹸と水で手を洗ってください。
  2. マスクにタイがある場合は、最初に首の首筋の周りに弓で下のタイを固定します。次に、マスクを上タイで口と顎にあて、頭の周りに固定します。
  3. 日中にマスクに触れるたびに手を洗ってください!(毎回です。)
  4. マスクを取り外すたびにマスクを洗い、マスクを取り外したら石鹸と水で手を洗います。マスクを洗い流せるまで隔離した場所に置きます。
  5. マスクに触れるたびに、マスクの両側にウイルスが存在するという危機感を持ってください。
  6. マスクを着用するたびに、清潔なマスクを着用してください。

参考文献:CAN A MASK PROTECT ME? PUTTING HOMEMADE MASKS IN THE HIERARCHY OF CONTROLS

https://www.jhsph.edu/research/centers-and-institutes/johns-hopkins-education-and-research-center-for-occupational-safety-and-health/can-a-mask-protect-me-putting-homemade-masks-in-the-hierarchy-of-controls

JOHNS HOPKINS BLOOMBERG SCHOOL of PUBLIC HEALTH

 

 

まとめ

マスクの有効性まとめ

一時期マスコミの報道では、そこまでマスクを使用しなくても良いのではないかとか、マスクでは粒子を防ぐためには限界があると報道していました。

おそらく、医療関係者の意見ではマスクでは(100%)感染を防ぐことができないという表現をする方がいて、それを大きく取り上げたためだと推測します。ですが、マスクを着けたことにより過度に安心する人なんて日本にはいるとも思えませんし、20%~70%の粒子を防いでくれるのであれば、後は大勢の人を避けたり、運用の仕方でそのパーセンテージを上げることも可能だと思います。

なかなか高品質な使い捨てマスクやサージカルマスクやN95のようなマスクが手に入らない現状を考えると、手作りマスクでしのぐことは重要な事かと思います。メーカーが量産している高品質なマスクは現在、政府に直接納められ医療現場や感染者が増えている地域に回されていて、いつ市場に安定供給されるか分からないためです。

他人との距離を2メートル以上を保ちながら、不意に口や目、鼻を簡単に触るようにしない事を心がけ、手作りマスクでも仕方がないので外出する際は絶対にマスクを着用する、

そしてこまめに手を洗うようにして、頻繁に触る手すりなどはアルコール度数が65%以上のもので消毒するようにして生活していく事が今現在できることではないでしょうか。(換気を頻繁にして、密室や狭いスペースにあまり入らないようにすることも気を付けましょう!)

 

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