こんにちは、にぃもです。
僕は高校一年生の時に円錐角膜を宣告されてから、20年以上特殊なコンタクトレンズを装着して生活しています。最初はわずらわしい思いをしましたし、色々と今までできていたことができなくなったりして、落ち込むこともありましたが、今はもう慣れてしまい、楽しく生活しています。
20年以上もコンタクトを付けているという事は、治らない病気なのかな?と思いますよね。『円錐角膜は治病気なのか?』を解説致します。
円錐角膜とは
円錐角膜は、目の前部透明層である角膜の薄化と腫れを特徴とし、近視と乱視が急速に増加する疾患です。円錐角膜は20歳から40歳の間に急速に成長し、40歳を過ぎると病気の発症は止まります。角膜はあなたの目の最も重要な器官です。光は角膜を通過して目に入ります。角膜は光線を屈折または集束させて、はっきりと見えるようにします。円錐角膜は、角膜を変形させてしまい視力を損ないます。
円錐角膜疾患の原因
円錐角膜の正確な原因はまだ特定されていませんが、遺伝的および環境的な損傷がこの疾患の発症に重要な役割を果たしています。定期的に目をこする習慣やハードコンタクトレンズの使用などの環境要因により、遺伝的素因のある患者ではこの疾患が急速に増加します。
円錐角膜は角膜を移植すると治ると言われているが
円錐角膜であれば、角膜移植すれば治るとは言われていますが、30%程の確率で拒絶反応が起こると言われています。ただし、その後のアフターケアをしっかり行わなかったから、そのようになっているとも言われていて正確な確率は分かりません。また、手術費用も高額で、失敗すると白内障になる可能性もあるそうなので、医師とよく相談した上で手術をするかどうかを決めましょうね。
その他の治療方法
羅列になってしまい申し訳ないですが、その他の治療方法を紹介します。
リボフラビン紫外線治療(クロスリンキング)
リボフラビン紫外線治療(クロスリンキング)とは、
円錐角膜の進行を抑える方法です。 角膜にリボフラビン(ビタミンB2)を点眼しながら、365nmの波長の紫外線を角膜に照射すると、角膜実質のコラーゲン線維の強度が強くなり、円錐角膜の進行を抑えることが可能です。また、角膜が若干平坦になるので、近視の度数を軽減する可能性があります。
手術方法は、麻酔薬を点眼し、角膜上皮をとります。角膜中央部にリボフラビンを約20分点眼します。その後に、リボフラビンを点眼しながら、波長365nmの紫外線を5分間照射します。保護用コンタクトレンズを装用して終了です。
リボフラビン紫外線治療(エピオンクロスリンキング)
従来の角膜クロスリンキング(以下エピオフ法)では、角膜の表面の皮(上皮-Epiエピ)を取り除くため、術後数日は痛みを感じたり、見え方の回復に時間がかかる欠点があります。
エピオン法はエピオフ法に比べて効果が弱いとされてきましたが、近年紫外線照射中に酸素を供給することにより、エピオン法もエピオフ法とほぼ同等の効果があるということがわかってきました。
※適応につきましては医師にご相談ください。
エピオフ法との違い
特殊な薬剤や酸素ゴーグルを使用し、上皮の上から長波長紫外線を当てることがエピオフ法との大きな違いです。
そのためエピオン法では、上皮を温存することにより痛みが少なく、視力の回復が早いとされています。
手術方法は、麻酔薬を点眼し、リボフラビンを点眼します。
その後、酸素をかけながら角膜に紫外線を照射します。保護用コンタクトレンズを装用して終了です。
円錐角膜専用ハードコンタクトレンズでの視力矯正
病院によって、違うメーカーのコンタクトレンズになりますが、総じて円錐角膜用にカットして販売されている印象です。
強膜レンズ(ボストンレンズ、ミニスクレラルレンズ)
このレンズの特徴は通常のハードコンタクトレンズと異なり、角膜に触らず強膜(白目の部分)で支えるために、異物感がほとんど無いことです。実際にこのレンズを始められる方は、若いうちは問題無く通常のハードコンタクトが出来たけど、年齢とともに眼がすぐに痛くなり、乾燥感が強く装用できないような場合や、円錐角膜の重症度が高く、どうしても長時間ハードコンタクトレンズが装用出来ない場合です。また強膜レンズは外れることが基本的にありませんので、仕事内容などで通常のハードコンタクトレンズが装用しづらい方にも処方しています。ただし視力に関しては、通常のハードコンタクトレンズと同等で通常のハードコンタクトレンズの視力が不十分な場合は、やはり強膜レンズでも視力は改善ないことが多いです。このコンタクトレンズは厚生労働省未認可の治療ですので、倫理委員会承認後に自費診察で行われています。
僕はこちらを使用しています。
ハイブリッドレンズ
レンズの中心がハードコンタクト、レンズの周辺がソフトコンタクトレンズを持つコンタクトレンズです。 光学部分はハードコンタクトレンズなので良好な視界を得ることができ、なおかつレンズの周辺部分はソフトコンタクトなので 装用感がよく良好なフィッティングを得ることができます。
角膜内リング(インタクス・フェラーラリング)
角膜内リングは、角膜に半円弧状のリングを挿入することによって角膜カーブをフラットに変え、長期的に円錐角膜の形状を改善します。
もともと軽度近視を治療するために開発されたものですが、円錐角膜の目に角膜内リングを挿入すると円錐角膜の出っ張りが平らになり、コンタクトレンズが装用できるようになったりメガネでの視力が回復される場合があることがわかり、 現在では円錐角膜の治療として使われるようになりました。 メガネ視力の向上が見込める場合はフェイキックIOLによって裸眼視力を回復することも可能となります。
手術方法はフェラーラリング
点眼麻酔をした後に角膜にフェムトセカンドレーザーによる小さな切開を加え弧状のトンネルをつくります。そこに半円弧状のリングを挿入します。 万が一合わない場合はリングを外すことで元の状態に戻すことができます。
角膜移植(補足)
円錐角膜が重度でハードコンタクトレンズが装用できない場合等、角膜移植の手術適応となります。その他に適応となる疾患として、感染などにより強い角膜混濁が生じレーザーで混濁が取れない状態、角膜の内側の内皮細胞が減少し、角膜内水分の調節機能が不全になった疾患が挙げられます。移植手術の種類は様々で、変性や混濁の部位、程度に応じて、全層角膜移植、深層角膜移植、内皮移植などに分けられます。移植する角膜は、アイバンクより提供されたドナー角膜を使用します。
手術方法は、従来の角膜移植手術の場合、トレパンと呼ばれる器具を用いて患者様の角膜及びドナーから提供された移植片を作成します。円形で切り口が垂直であるため移植後の角膜にねじれが生じる可能性が高いこと、また移植片を一致させるのが難しく縫合を強くする必要があり、術後の不正乱視が生じやすくなります。
人工角膜移植
アクリル素材の人工角膜のひとつです。人工角膜として移植することにより角膜の深層部分は保持されます。切除する角膜は全体の5%程度で、人工角膜でよく報告されている眼内炎などを低減することが可能です。ヨーロッパでは2009年にCEマークを取得し、臨床に使用されています。
手術方法は、
フェムトセカンドレーザーを用いて、角膜の深さ300μmの深さのポケットを作製し、その中心部分3.5mmは円形に切開を入れ、切除します。KeraKlearの周辺部をポケットの中に挿入し、周辺部の孔に縫合糸を通して角膜に固定します。最後にコンタクトレンズをのせて手術は終了です。
まとめ
円錐角膜は、進行によって治療方法を変えていく感じです。やはり角膜移植は費用やリスクがあるので、いきなりはすることは無いと思います。最初はコンタクトでの矯正かなと思いますが、現在では、クロスキリングという治療方法もでてきていて、昔より進歩しているなと感じます。
もう少し様子を見ながら、僕も治療方法を考える必要があるかなと思いました。