休業手当100%支給 雇用調整助成金で国が収入を全て補助してくれるの?申請方法や背景を解説

こんにちは、にぃもです。

4/24に日経新聞のニュースで休業する小規模企業が支払う休業手当に関して、国が全額補助するという記事が載せられていました。

今までは、雇用保険加入者でないとダメであったり、保証金額が最大で67%だったりとしましたが、100%の休業手当補償は飲食店の経営者などはホッと胸をなでおろしているのではないでしょうか。

ただ、休業手当100%の補償は条件があり、色々と条件があったりするので、詳細を説明します。

休業手当100%補償対象者とは

休業手当が100%国から補償される方は、国や地方自治体が休業を要請した小規模企業に努めている従業員の方になります、なのでその企業の経営者も恩恵を受けます。ちょっとこの、『国や地方自治体が休業を要請した小規模企業』という条件はもやもやします。休業要請されていない小規模企業でも、非常事態宣言を出されお客さんが激減している飲食店やサービス業の方たちはたくさんいると思うので、なんとか、その休業要請されたら、という条件を外して欲しいと思います。

ただ、この休業手当補償の助成金の名前が、雇用調整助成金という名前なのですが、この要件(対象者や助成金額)が拡充されているので、紹介しますね。

 

雇用調整助成金の拡充内容

 

新型コロナウィルス感染症にかかる雇用調整助成金の特例措置拡大
特例以外の場合の雇用調整助成金 新型コロナウィルス感染症特例措置 緊急対応期間(’20年4月1日~6月30日)感染拡大防止のため、この期間中、全国で下記の特例措置を実施
経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主 新型コロナウィルス感染症の影響を受ける事業部氏(全業種)
生活指標要件 3か月10%以下低下
生活指標要件を緩和 1ヶ月5%以下低下
雇用保険被保険者が対象 雇用保険被保険者でない労働者の休業も助成金の対象に含める
助成率 66.67%(中小企業)、50%(大企業)
80%(中小企業)、66.67%(大企業)【解雇等を行わない場合は90%(中小企業)、75%(大企業)】
計画届は事前提出 計画届の事後提出を認める(1/24~6/30まで)
1年のクーリング期間が必要 クーリング期間を撤廃
6か月以上の被保険者期間が必要 被保険者期間用件を撤廃
支払限度日数、1年100日、3年150日 同左、上記対象期間
短時間一斉休業のみ
休業規模要件 1/20(中小企業)、1/15(大企業)
短時間休業の要件を緩和

併せて、休業規模要件を緩和[1/40(中小企業)、1/30(大企業)]

残業相殺 残業相殺を停止
教区訓練が必要な被保険者に対する教育訓練助成率 66.67%、50%(大企業) 加算額1,200円
教育訓練助成率 80%(中小企業)66.67%(大企業)【解雇等を行わない場合は90%(中小企業)、75%(大企業)】 加算額2,400円(中小企業)、1,800円(大企業

参考文献:厚生労働省 雇用調整助成金 雇用調整助成金ガイドブック

左の内容が以前の雇用助成金の要件で、右の内容がコロナ禍における現在の要件になります。

※クーリング期間とは、対象期間終了後は、次の対象期間まで1年間以上間隔をあける(クーリング期間)必要があることを指しています。
※残業相殺とは、休日出勤や残業出勤をさせていた場合、休日手当の補償日数の延べ日数から引かれることになります。

 

中小企業と大企業
下記に該当している規模の企業が中小企業となり、それ以上の企業は大企業となります。
①小売業(飲食店を含む) 資本金5,000万円以下又は従業員 50人以下
②サービス業 資本金5,000万円以下又は従業員100人以下
③卸売業 資本金 1億円以下又は従業員100人以下
④その他の業種 資本金 3億円以下又は従業員300人以下

見て分かる通り、かなり対象者や助成金額を拡充しています。中小企業であれば、100%とは行かないまでも解雇等を行わなければ、90%の休業手当を助成してくれます。また、教育やトレーニングの費用にあたる休業手当に関しても同等の金額が助成されます。これは、かなり零細企業にとってはありがたいとは思います。ただし、売上自体が下がってしまっている状況では、企業自体の存続が危うくなります。コロナウィルスのこの現状が6月に全て問題が解消されるとも思えないので、できれば、6月までではなく、もう少し期間を延ばしてもらえればと思います。また、売り上げがほとんど立たない企業等には、政府や自治体が休業要請をしていなくても、休業手当を100%助成するような制度にして欲しいと思います。一番は雇用保険に加入していない(企業や事業者の従業員に対しても、手当が出てくれるとありがたいですね。。

 

拡充されるようになった背景

このような拡充に至った背景としては、雇用調整助成金の制度への申し込みが、2月中旬から4月17日までの段階で合計985社しかなかったからというのが理由の一旦だそうです。確かに7割弱のみの休業手当補償であれば、売上がない状況では企業にとってあまり意味がありません。給料の3割の負担を強いられながら、この不透明な環境下で更に売上が無いのに、従業員を雇い続けられる余裕のある企業はそこまで多くないように思えます。それだったら、仕方ないが従業員には辞めてもらうしかない、と思う経営者の方も多いでしょう。そうなってしまえば、制度の利用もしないでしょうし、コロナ禍後の再建も諦めてしまう経営者も多いのではないでしょうか。

また、SNSやブログ、youtube で給料補償の必要性をたくさんの方々が発信していることも大きな要因だと思います。具体性をもった発信や論理的な発信、影響力の大きい方も発信したりしてるので、やはり泣き寝入りはせずにどんどん必要性を論理的に発信し続けることで、国の対応やマスメディアの意見も変えられるのではないしょうか。

 

雇用調整助成金の申請方法

雇用調整補助金申請の流れ

雇用調整助成金の申請方法(厚労省ホームページより) 雇用調整助成金ガイドブック

 

計画届の提出時に必要な書類

①様式第1号(1) 休業等実施計画(変更)届

②様式特第4号 雇用調整事業所の事業活動の状況に関する申出書
【添付書類】
「売上」がわかる既存書類の写しでも可
(売上簿、営業収入簿、会計システムの帳簿等)

③ 休業協定書
【添付書類】
(労働組合がある場合)組合員名簿
(労働組合がない場合)労働者代表選任書
※事後提出の場合、実績一覧表の署名または記名・押印があれば省略可

④ 事業所の規模を確認する書類
既存の労働者名簿及び役員名簿で可
※中小企業の人数要件を見たしている場合、資本額を示す書類は不要
※ ②~④は2回目以降の提出は不要(③は失効した場合、改めて提出が必要)

上記以外で他に資料を要求される場合もあるそうです。

各様式、書類等は下記の厚労省のページからダウンロード可能です。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10051.html

この休業の計画届については、休業の実施後でも可能になりました。

 

支給申請時に必要な書類

様式特第6号(共通要領様式第1号)支給要件確認申立書・役員等一覧
計画届に役員名簿を添付した場合は不要②様式特第7号または10号(休業等)支給申請書
自動計算機能付き様式③様式特第8号または11号助成額算定書
自動計算機能付き様式④様式特第9号または12号 休業・教育訓練実績一覧表
自動計算機能付き様式⑤ 労働・休日の実績に関する書類
ア.出勤簿、タイムカードの写しなど
(手書きのシフト表などでも可)
イ.就業規則または労働条件通知書の写しなど⑥ 休業手当・賃金の実績に関する書類
ア.賃金台帳の写しなど
(給与明細の写しなどでも可)
イ.給与規定または労働条件通知書の写しなど上記以外で他に資料を要求される場合もあるそうです。

各様式、書類等は下記の厚労省のページからダウンロード可能です。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10051.html

 

届け出をする場所

地域によって届け出先が変わってくるので、事業所の所在地を管轄する都道府県労働局またはハローワーク(公共職業安定所)にお問い合わせください。

 

休業手当100%支給のまとめ

このブログを見てもらうと、雇用調整助成金申請の際にどんな流れで申請すれば良いのか何となく頭に入るのではないかと思います。また、各種申請書もどういったものが必要なのか分かっていると、変に難しく考えすぎて申請に躊躇することもなくなってくれると嬉しいです。

ただ、まだまだ休業手当が全員が100%支給されるわけではないので、そこを売り上げが下がっている企業全てに拡充して欲しいと思います。中小企業ほど、お金も人もギリギリでやっているところが多いと思います。人手をギリギリで回している企業が申請する上で一番有益な制度にしてもらえると、再建へのモチベーションを奪われなくなるので、お願いしたいところです。

休業手当100%支給まであと一歩
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