『史上初のマイナス原油価格』 原油価格0ドルからの大きな価格減少 このような現象はなぜ起きたのか？

4月21日、ニューヨーク市場の原油先物価格が史上初めてマイナスになりました。原油価格0ドルの時点で、Twitterでトレンド入りするなど、注目を集めていましたが、21日の市場が終わった時点でなんとマイナス価格になってしまいました。

参考文献：日本経済新聞  NY原油先物、初の価格「マイナス」　5月物投げ売り殺到
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58291780R20C20A4000000/

なぜこのような現象が起きているのか、まとめたのでシェアしますね。

短期スパンでみた理由

まず、この先物の原油価格というのはWTI（ウエスト・テキサス・インターミディエート）の原油価格になります。全世界の原油価格ではなく、アメリカニューヨーク市場の原油価格です。そして、4月21日というのは5月物の原油価格の締め日で、この５月物の原油価格で、マイナス現象が起きています。

何故このような現象が起きたかというと、まずは、コロナショックでアメリカ全土がロックダウンで外出禁止令が出され、経済活動がまともにされていません。そのため、みんなガソリンなどの原油を使うことが無く、実需からくる需要が無くなりました。そのため、原油価格が極端に減少し、それに加えて4月21日までに先物取引市場で入札し権利を持ち続けていると、実際に入札している分の原油現物が引き渡される事になってしまいます。実際に原油が引き渡されてしまうと、実需が無い中在庫を抱えないといけなくなり、海上での保管費用や港での倉庫費用が莫大になってしまいます。そのため、みんなその権利を手放したく、権利売りが乱発し価格がマイナスにまで下がるという現象が起きてしまいました。下記のツイートはうまくまとめられていますね。

6月以降の先物原油価格はまだ、20ドル代をキープしているため、5月先物にのみ特殊な原因が重なり起きたマイナス価格現象ですが、原油産出国はアメリカだけではなく、中東の国々やロシアが原油国として有名だと思います。これらの国々や他の原油産出国もあるのにも関わらず、なぜこのような原油価格がマイナスになるという事が起きたのでしょうか。

参考文献：yahoo!ニュース  原油価格暴落でも買い手不在の理由、もはや価格の問題ではない
https://news.yahoo.co.jp/byline/kosugetsutomu/20200420-00174379/

根本的な理由

なぜここまでの、原油価格が減少したかというと、3月6日に開かれた産油国同士の交渉が決裂したからです。

2月ごろから新型コロナウイルスの影響で中国などの工場が止まり、原油を使わなくなりました。そこで米国は産出量を減らして価格を上げる相談をしましたが、意見がまとまりませんでした。交渉の決裂を受け、有力産油国のサウジアラビアやロシアはほかの産油国を追い落とそうと増産を決め、需要が無いにも関わらず原油が供給されつづけ、どんどん原油価格が下がってしまいました。

そして、4月21日の原油価格マイナス事件へとつながりました。

参考文献：日本経済新聞  原油価格が急落　みんな怖がる理由とは
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56919170X10C20A3000000/

日本のガソリン価格への影響は

現状でも、かなりガソリン価格が下がっていますが、ますます下がっていく事は間違いないでしょう。リーマンショック時にガソリン価格が100円代だったのを記憶していますが、90円代まで下がってもおかしくないと推測します。

まとめ

原油価格が下がり、ガソリン価格が下がる事は家計を助けてくれますし、その他の原価を下げてくれるとは思うのですが、不景気や異常事態にこういったことが起きてしまうので、素直に喜べないですね。やはり原油の価格が多少値上がりしたとしても良いので、早くコロナショックが収まって欲しいです

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